しばらくして妊娠した。

最初に気づいたのは、母だった。
母は穢らわしいものを見る目で私をみた。

「オトコを奪った上に、子供まで作りやがって」

吐き捨てるように言う母のそばで、男は相変わらずニヤついていた。
「子供にも子供ができるんだな」

翌日男は、私に紙切れを投げてよこした。
「その医者、上手くやってくれるってさ。金さえ出せば、な」

「お金ない…」
呟いた私を
「金の面倒までみられねえよ」と怒鳴りつけながら、ソイツはまた私をレイプした。

母はうつろな目で私たちを眺めていたが、不意に嬉しそうに言った。
「アンタが体売れば、稼げるじゃない」

「そりゃ名案だな」
男はすぐさま賛同した。
そして二人は、これで明日からは金に困らないと、祝杯をあげた。





二人が酔っぱらって寝入ったのを確かめて、私は家を出た。

出る前に、男のポケットから金を掴み出した。
どこから手に入れたのか、一万円札が十枚以上あった。