そして秘密の時間(とき)を共に

「『お守り』だと思ってればいいよ」

えっ?

「これから試験や部活でいろいろ忙しくなるだろ? おまえ、携帯電話持ってないから、俺から連絡出来ないし……だから、美雪の時間が空いて、来たくなった時にいつでも来れるように」



そっか。

涼はやっぱり、私の事をよく知っている。

きっと私は鍵を持っていたからって、部活をサボったり門限を破ってまで、ここに来る事はしない。

でも、同時に……思うように涼と話す事が出来なくて、淋しくなっちゃうんだ。

だから、『お守り』。