そして秘密の時間(とき)を共に

「これで全部か?」

ステージから戻って来て、沖野先生は私の荷物を渡しながら確認した。

「はい」

私がそう返事をしたのとほぼ同時に、私の体が宙に浮いた。



えっ、うわっ、ちょっと。

「ヤダ、降ろして、歩けるから」

いわゆる世間で言う『お姫様抱っこ』状態。



は、恥ずかしいよっ。

それに、誰かに見られたらどうするの?!