ガチャッ



ロックされた。

その瞬間。

自分の家以外に、ここも私が帰れる第2の家なのかな……なんて、不思議な感覚が芽生えた。



何も言わないけど扉の向こうにまだ居る筈の涼。

私は扉を、笑顔で見た。



ありがとう、涼。

私に新しい居場所を作ってくれて。



よしっ、帰ろう。

私は笑顔のまま、ここへ来た時とは違う、とても穏やかな気持ちで家路についた。