そして秘密の時間(とき)を共に

「俺はもう大丈夫だから」

そう言う涼の表情は、いつもの包み込むような笑顔。



私は笑顔で、コクンと頷いた。

その時。



「くしょん、くしょん」

急に鼻がムズムズして、くしゃみが出た。



「ああ、もう、おまえはぁ」

涼はそう言うと立ち上がり、隣の部屋に行って温かそうなダウンジャケットを持って来て、私の肩に掛けてくれた。