そして秘密の時間(とき)を共に

えっ?

ドアを開けると、こちらに背を向けて、床に座り込んでいる涼の後ろ姿が見えた。



膝に顔を埋めるようにして、丸まったその姿は、なんだかとても小さく感じた。

私が出て来たのを分かっている筈なのに、何も言わない涼。



胸が、キューっと締め付けられた。



私は思わず、いつも涼がしてくれるように、涼の頭を『よしよし』となだめるように撫でた。

涼はいつも、こんな気持ちで撫でてくれてたのかな?

それでもまだ、何も言わない涼。



今度は涼の背中から、フワッと抱き締めた。