「今は校舎内、誰も居ないんだ。だから、いいんじゃねぇ?」 あっ、やっぱり。 でも。 「でも、もしかしたら」 「大丈夫だって。さっき演劇部の顧問の遠藤先生が『朝の見回りしたら誰も居なかったけど、一応、部活に出る時は職員室の鍵だけ掛けて下さいね』って、鍵を置いて行ったんだから」 そう言って沖野先生は、鍵を振って見せた。 そうなんだ。 じゃぁ。