そして秘密の時間(とき)を共に

言われて手を見てみたら、雨に濡れた寒さのせいで、ガチガチと震えていた。



「バスタオルと普通のタオルはここにあるし、ドライヤーはそこだから。ゆっくり温まれよ?」

涼はそう言って、お風呂場の脱衣所のドアを閉めた。



何やってんだろう、私……。

なんで涼の前では、子供みたいに泣いたり怒ったり叫んだりしちゃうんだろう。



ゾクッ

急に寒気を感じて、ハッとした。

自分では大して濡れていないつもりだったけど、よく見てみると服からは水滴がポトポトと自然に落ちる程、濡れていたようだった。