そして秘密の時間(とき)を共に

「な、何を、言っているの? そんな事、ある筈」

「『無い』って、言い切れないだろ? あいつの遺体は誰も見てないんだから」



ドクン



心臓が鳴った。

私は少し俯いて、静かに首を横に振った。



「そんな事、無いよ。だって、生きていたら、すぐに戻って来る筈だもん」

「そうだよな……生きていたら、戻って来るだろうな、美雪の所へ」



涼?

顔を上げると、そこには涼の淋しげな笑顔があった。