そして秘密の時間(とき)を共に

実際、冷たい空気を吸いたくて、一般の人は通行禁止になっている北校舎と南校舎を繋ぐ3階の渡り通路のドアを開けた。



誰も居なくて、『はぁ』とため息をついた。

そのまま通路の中央付近まで歩いて行き、落下防止柵に手を掛け、大きく深呼吸をした。



今日の気持ちのままでは、『沖野先生』って呼びたくなかった。

どうしよう、私……涼と再会してから学校でしか会っていなかった時は、『沖野先生』と『涼』の使い分けが上手く出来ていた筈なのに……。



涼の部屋に行った後から、『涼』の部分がどんどん大きくなって……。