そして秘密の時間(とき)を共に

「すっごい偶然で、2人共譲ってもらったチケットなのに、隣同士の席でね……ビックリしちゃったんだよ? 帰りは暗くなって危ないからって、送ってくれて」

「ふーん、そうだったんだ」

お兄ちゃんは呟くように、そう言った。



納得、してくれた?

声と表情からは、それが分からなかった。

でも、急にフッと何かを思い出したような表情になった。