そして秘密の時間(とき)を共に

歌い終わって、若手チームの先生方が舞台袖に戻って来て、今度はベテランチームが準備を始めていた。

沖野先生は私達が居るのに気付くと、嬉しそうに笑って近付いて来た。



「なんだ、残って見ててくれたんだ」

「はい。先生、ギターなんて弾けたんですね? プロ級の上手さでしたよ?」

真実が私の言いたかった事を、そのまま言った。

「学生時代に、ちょっとな」



そこまで真実と会話していた沖野先生が、私へ視線を向けた。