「あっ、東野」 急に何か思い出したように、沖野先生は私を見た。 「はい?」 「今からちょっと、職員室に来てくれ」 「今から?」 腕時計を見ると、8時40分。 うわっ、車で来たおかげで、早く着いちゃった。 「はい、分かりました」 私がそう答えると。 「なんだ? おまえ、また何か悪い事でもしたのか?」 お兄ちゃんが苦笑いして言った。