そして秘密の時間(とき)を共に

「私、嬉しいよ、涼の好きな場所を教えてもらって。エプロンや合鍵とか、涼と共有出来る物も増えてきて……少しずつだけど、涼の傍に私の居場所が出来てきたみたいで、幸せなんだよ」

「美雪」

涼が腕の力を緩め、私を腕の中に収めたまま少し離して、私の顔を見て名前を呼んだ。



「いつかみんなの前で堂々と手を繋いで歩けるようになったら、いろんな所に一緒に行こうな?」

「うんっ!」

私は涼の言葉が嬉しくて、笑顔で即答した。



すると涼はクスッと笑った。