そして秘密の時間(とき)を共に

涼は笑顔のまま、私の顔を覗き込んだ。



「そんな顔、すんなよ。俺、言ったよな? 『忘れなくていい』って」

「……涼……」

「さっきの美雪を見てたら、初めて僚二と一緒に舞台を観た時の事を思い出したんだ」



えっ?



涼はそう言うと、私の背中を軽く押して、歩くように促した。

私はそれを合図に、歩き始める。