そして秘密の時間(とき)を共に

フッ

涼が笑った気配がして顔を上げると、涼は優しく見守るように微笑んでいた。



「なぁ、美雪。俺だって、本当はおまえを帰したくないし、ずっとこうしていたいよ?

でもな……俺はおまえとは、この数時間の『ずっと』じゃなくて、将来の何年先、何十年先の『ずっと』を考えているんだよ」



涼……。



涼は右手を伸ばして、私の頭をゆっくり撫でながら話を続けた。