そして秘密の時間(とき)を共に

「てっきり、女子目当てかと思ったら、俺かよ」

沖野先生は笑った。



はぁ。



「先生とお兄ちゃんを一緒にしないで下さい」

「おっ、出たな、東野得意の『ブラコン発言』」

まったく、すぐそう言って茶化すんだから。

私がお兄ちゃんと一緒だったりお兄ちゃんの事を誉めると、沖野先生は機嫌が悪くなり、それを誤魔化す為に茶化し始める。



私の隣りで、お兄ちゃんは否定も肯定もせず笑っていた。