「ねえ、充琉。
今度の土曜日なんだけど、一緒に行って欲しいところがあるんだ」

「ごめん。土曜は予定が入ってる…」

「何? どんな予定?」

「美也や貴洋達と出かける」

「どこに行くの?」

「深紅の…ほら、幼なじみのヤツ。
アイツの家に呼ばれてるんだ」

「ふ~ん。あたしよりあの人を選ぶんだ」

「そうじゃない。
いつもメシ食ってるやつらで呼ばれたから。
予定なかったし行くって返事した」

「じゃ『予定が入ったから行けない』って言って」

「何の予定だよ?」

「あたしとデートするのは大事な予定じゃないの?
理由があるからいいじゃない!」

「あっちが先約だろ??」

「やっぱり、あたしよりあの人の方が大事なんでしょ!」

「なんでそうなるかな…」