二度目の初恋

充琉の手がようやく男から離れた。

ぐったりと男が床に崩れる。

充琉は自分のブレザーを脱ぐと私の肩に掛けてくれた。

「ごめんな。
俺の…せいで、怖い、思いをさせて…」

切れ切れに充琉が呟く。


ふと部屋の隅を見ると、麗子さんとその友達が震えながら立っていた。

充琉が睨むと麗子さんが泣き崩れた。

「深紅さんが悪いのよ…
私の充琉を取る…から」

「こんな事、許されるとでも思ってるのか?
お前のやった事は犯罪だぞ?」

麗子さんは黙ったまま返事をしなかった。