楽しかったのは…一歩が合格してから、高校に通う間だけだったなぁ~…と、ぼんやり考えていた。


『鈴…?』


「ん…。一歩…もう眠いから電話切るね」


『…明日、どっか遊びに行こっか』


「うんー…でも私バイトだし。一歩もまた補習でしょ?だから週末でいいよ」


悪いと思いつつ受話器の前で、ふあぁとコッソリ欠伸をする。


『いや…明日はいいや。得意な科目だから。それに最近流れも掴めてきたし…』


何とな~く…


私に気を遣ってるのが分かるんだ。