田舎の王子様~照れ屋な俺様

「あの…。大迫さん、さっき…これありがとうございました!」


都がぺこりと頭を下げる。


「あ~っ、にゃんこ?…ごめんなぁそんなんで。もっと気のきいたもん渡せばいーのにな。ダサいよな、オレ」


彼は恥ずかしそうに頭をかく。


「いいえっ!すごく…嬉しかったです。あの時…もう少しで、みんなの前で泣く所だったから」


都は大迫さんにもう一度頭を下げる。


大迫さんはやんわり微笑む。


「せっかくの旅行だからね。みんなに笑顔でいて欲しーし。あんな所に一人でいたら…声かけない訳にいかないからね」