田舎の王子様~照れ屋な俺様

「あ~だってさ。ふみかオレの幼なじみだから」


えぇっ!?


夏川くんは、自分のノートを持ち直すと、にっこり笑って言った…。


「コータの気持ち、オレは分かんないな。自分ものにならないからって…他の人と付き合うとかありえねーし」


「夏川くん…ふみかさんが好きなの?」


「何だろなぁ。憧れみたいなもん?好きだけど、この手にするのが怖い…っつーか」


寂しく笑った夏川くんは、宴会場に戻ろうとする。私は慌ててその腕を、ガッチリと掴んだ。