田舎の王子様~照れ屋な俺様

一瞬…


ゾッとした。


室内の照明が一気に落とされ、スポットライトがステージにあたる。ムービングライトが会場内を赤や青で照らす。


夏川くんの顔も…その光の中で、ぼんやり浮かんでいた。


何で…この人が、知ってるの?


ってか、気付いてた?


私がドンカンなだけ!?


私は、急いで夏川くんの隣の席に座り直した。


「バカな事言わないでよ!」


「実際二人が何もないのは知ってるよ。心の浮気?コータが宝生さんの事…うっ」


思わず、夏川くんの口を手で押さえてしまう。