「えっ、そうだったんですか？
じゃあ、泊めてもらったお礼に私、引っ越しはがき作ってあげますよ」


千佳ちゃんはパソコンを指差した。


私も仕事上そこそこ使える方だけど、千佳ちゃんは自分のホームページを持っているくらいの腕前だ。


しかも、そのレイアウトやデザインは秀逸でプロはだし。


とはいえ、結構時間がかかる作業になることは私にもわかる。


「そんな、いいよ。
どこかで印刷してもらうつもりだから。
宛名はそれができてからのんびり……」


しかし、千佳ちゃんは最後まで言わせてくれなかった。


「だめだめ。
そんなこと言ってたら、香奈さんいつまでも後回しにしちゃうでしょ。
私知ってるんですから。
香菜さん、仕事ではてきぱきしてるくせに、自分のこととなると結構ずぼらでしょ。
それに、業者に頼まなくったって、パソコンで簡単にできるんですから、ね？」


もう千佳ちゃんとの付き合いも長い。


的確に自分の短所を指摘された私は、それじゃあ、と甘えることにした。