「バッグ、可愛いですね」 そう彼女は微笑んだ。 「え、そ…そうですか?」 「ハイ!とっても!」 まあ一応ブランド物だし、 小さい子から見ても魅力があるのかも。 中身も見たいなぁっ 上目遣いでそう呟くもんだから、 あたしは軽々しくバッグのファスナーを開けた。 「らっきー」 ――バッ 彼女はバッグに手を突っ込むと、 ダッシュで逃げた。