*ハナコイ*



――――――


その日の夜。



仕事を終わらせた俺はロゼアの元へ向かった。



父や大臣を説得していたら遅くなってしまった。


具合…治ったかな…



たぶん、人間になったばかりで体に何らかの負担がかかったんだろう…



でも、昼に見に行った時にはだいぶ調子が良さそうだった。



部屋の前に着くと、俺は勢いよく扉を開けた。



「王子様…」



ソファーに座って、美しい笑顔を向ける愛しい人…



「ロゼア」



俺はロゼアの隣に腰を下ろすと、そっと彼女の肩を抱き寄せた。



近くで感じる彼女の存在。



絶対に手放したくない…


無意識に、ロゼアの肩にかかる手に力が入る。