一日、一日と王子様と一緒に過ごすうちにだんだん王子様の事が本当に好きになってた…



だから我慢できなくて一方的に気持ちを伝えてしまったの。



でもあなたに大切な人がいるのはわかってる…



だから…



私は…



ひとりバラを眺める私に、お月様がそっと話しかけてきた。



『ロゼア…わかっているね?明日の夜。月がてっぺんに上る前にここへ来るんだよ…

でなければ、君の存在は消えてしまう…』



私はコクリと頷いた。



明日の今頃…私はもうバラに戻っている。



今度はまたバラの姿で、王子様とお姫様の事を見続けるんだ…



ふたりが結婚して幸せになって…



「うッ…」



堪えきれず、私は再び泣き出してしまった。



今はまだ…そんなふたりの事を素直に祝福できないよ…