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今日はロゼアは来ないのか…



ベンチに腰掛けながら、俺はロゼアを待った。



昨日の返事を…俺の気持ちを伝えたくて…



「来ない…よな」



ちらりとバラを見ると、俺は立ち上がり城へ向かって歩きだした。



もしかしたらロゼアがくるんじゃないか、そう思って何回か見てみたけど…



やっぱり彼女は来なかった。



普通に考えたら来れるわけないか。



これから結婚しようっていう王子に好きですなんて言ったんだからな。



ロゼアを思い出して俺は自然と笑みがこぼれた。



彼女に好きだと言われて、心の底から嬉しかった。



けれど…昨日の俺にはすぐに彼女に答えるくらいの度胸はなかった。



でも今は…会いたい。