『勇人と,何話してたの』


『え?おめでとうって。
 …別に,それだけだけど』


『なら,いいけど…』



なんかもやもやする。


『もしかして……妬いてる?』


いや,妬くだろ!!
仮にも元カレだよ?!
俺そんなに大人じゃないし!!



思ったけど黙っていた。



『弘樹はかわいいね。たった今,あたしたち夫婦になったばっかなのに。もう妬いてるの?』


『だってさ…』



俺が不貞腐れていると,
衣緒李が突然キスしてきた。


『…!!』


『ほら,機嫌直して?今日くらい,笑ってたいでしょ??』


『…だな!』



上手く丸め込まれた気がするけど…
まぁいいか!


今度は俺からキスした。





『うっえ〜。見ちゃった』


『『悠希!!』』


なんだかんだで久々な
悠希がニヤニヤしながら
立っていた。


『お二人さん,おめでとうございますっ』


『結局お前,俺達のこと邪魔できなかったな?』


俺は厭味たっぷりに
言ってやった。


衣緒李はきょとんとしている。



『…だってさぁ,まさか皐樹さんまで認めるとは思わないし。大人しく身を引いてやるんだからさ,幸せにしてやれよ』


『当たりめーだ』


『…尤も,香苗はまだ諦めてないみたいだけどな』



そういえば,今日は香苗ちゃんは
出席していない。



『まぁもう結婚したんだし何もしてこないとは思うけど,気をつけろよ。新婚旅行先なんかに出没するかもしれねーぞ』


『はーい,気をつけますっ』


『じゃー俺桜井さんにサイン貰ってこよーっと』




…奔放なヤツ。