その年のオフ。
俺達は結婚式を挙げた。
俺もそこそこ稼いでいたし,
皐樹さんのこだわりや援助やらで,
もの凄い盛大な式になった。
悪い気はしない。
『おめでとう!』
『きれいよ』
『お幸せにね』
誰もが祝福してくれ,
本当に幸せだった。
そのとき,背後から
一際大きな声。
『『越智さん,衣緒李ちゃん,おめでとうございます!!』』
振り返ると,ドルフィンズの
集団がいた。
ほぼ全員って言ってもいいほど
たくさん来てくれていた。
『お前ら,トレーニングは?』
『何ふざけてんすか!越智さんの大事な日に体鍛えてなんかいられないっすよ〜』
西野が笑う。
『いいなぁ…俺も結婚したいっす』
羨ましそうな大二郎。
『てか越智,写真撮ろうぜ!』
桜井さんの提案で,
俺たちは皆で写真を
撮ることにした。
『衣緒李ー!皆で写真撮っ…』
衣緒李の方を見ると,
誰かと楽しげに話している。
…勇人だった。
『あっ写真?今行くー!ほら,勇人行こっ』
『おう』
『撮りますよー!はい,チーズ』
『ありがとうございましたー』
『じゃあ越智,また後でっ』
『はいはーい』
皆はそれぞれ散っていった。
俺と衣緒李は
二人になった。


