元不良の青春物語


高速で回っていく世界が
次に止まった時には、
眼の前に、
『●●北男子高等学校』
と書かれた校門があった。

「もう着いたの?」

「見ればわかるでしょ。
 ほら。ヘルメ。」

そう言って手を出す姉ちゃんに
被っていたヘルメットを脱いで渡す。

「ほら、さっさと降りた降りた。」

バイクの後頭部座席から降りて、
さっきとは違う態度に違和感を覚える。

「ねえ、何怒ってるの?」

恐る恐る聞いてみる。

「は?あんた、
 彼氏に会いに来たんでしょう?
 傷心のあたしに
 見せつけてくれやがってこの野郎っ」

キーッなんていいそうな勢いで
姉ちゃんは怒鳴った。

あ、そーいやここって男子高か。
校門のところに書いてある。

って!
そんな呑気にしてる場合じゃなくて、
早くフォロー入れなきゃ殺される!

慌てて脳内がパニック状態になった私は
次の言葉を口走った。