元不良の青春物語


数分程その場に突っ立っていると、
バイクの近所迷惑この上ない爆音と、
聞きなれた声が聞こえてきた。

「あり?綾乃じゃん。どったの?」

声のしたほうを見ると、
そこには、
今朝、旅行に行ったはずの姉、
桐生 綾音【キリュウ アヤネ】がいた。

「姉ちゃんこそどーしたの?
 彼氏と旅行に行ったんじゃなかった?」

「は?あんな野郎なんか知るか。」

どうやら彼氏が何かやらかしたらしい。
なんて命知らずな。

「あんな奴、
 ぼっこぼこの
 けちょんけちょんにしてやったし。」

ほら。
言わんこっちゃないし。

「で?
 綾乃は何?」

彼氏に脳内で軽くツッコミをしていると、
姉ちゃんに話しかけられた。

そして、ぴーんっ!って思いついた。

「お願い!
 私を北高まで乗せてって!」

「ん?いーけど?」

なんかあっさりOKもらえた。
やったーっ。ラッキー♪