「それにしても、
 坂本 煉って奴ムカつきますよね!!」

学校から200m位あるところで
私と織は、歩きながら帰っていた。

「・・・・・。」

「椎名さん?」

「ん?あ、ごめん。
 珍しくちゃんと椅子に
 長時間座ってたら、疲れちゃって・・・。」

ちょっと苦笑いする。

「慣れない事するからですよ。」

織は優しく言ってくれた。

「あ、あそこがバス停ですよ。」

「ホントだ。」

「ここからずっと真っ直ぐなのは
 わかってますね?」

「それはいい加減わかってるよ。」

織は、私にだけ
まるで主に忠実な執事の様な態度だった。

そう、誰にも支配されない、
孤高の獣が
私に忠実な執事になったのは、
私が入学してすぐだった。