クラッカーから飛び出した
紙くずにまみれながら、ロイを見る。
「驚いた?一種の
サプライズってヤツなんだけど。」
ロイはさっきと変わらず
ニコニコ笑っていた。
「余計警戒するから。」
ばっさりと切り捨てた。
「ツレないねぇ。」
肩をすくませて
今度は苦笑いになった。
「でも、君が「椎名」ってコトは、
もう始めから皆知ってたよ?」
斜め下から聞こえてくる声。
下を向くとそこには
今の今まで忘れていた、煉がいた。
しゃがんでお腹を押さえていた。
ずっと今まで笑っていたんだと思う。
「どういうこと?」
「部員全員が「元」そういう関係の
連中だったってコト。」
「ああ。そゆこと。」
「驚かないの?」
「裏関係の奴らとは
濃厚なお付き合いしてましたから。」
「・・・・確かにつれないね。」
「だろ?」
2人してつまんなそうな顔をした。
何かイラついたから、煉の
脛を軽く蹴った。



