「うん……」

 ゆっくり起きあがりながら周りを見ると、空はすでに紅に染まっており、校門から人々が出ていく姿が見えた。

「……え?」

 そして、そのまま固まる宏輝。

 生まれて始めて授業をサボった……

 少し落ち込みながらも動く事を決意し、明日香を起こすと、驚いた表情を見せながらも、今の状況を把握したらしく、急いで二人で下校した。

 今日が−−
 8月、夏の終わり。
 しかし、終わりを認めたくないように、その日の夜遅くまで、セミが鳴いていた。

そして、廉も……