黒猫前奏曲

そこは、昨日より遥かに散らかっていた。本当に、昨日来ていなければ前後の区別がつかないくらいだ。

「おい、弥生。これ片付けろ」

「なんで俺が!?」

道成の言葉が不服なのか弥生が文句を言う。

「こんな部屋をぐちゃぐちゃにできるの弥生ぐらいだよ」

弟である蓮に言うのだから真実なのであろう。だが、弟に言われるようでは、兄失格ではないかと思ってしまう。だが、それは兄の面子にかけて可哀想なので、この場では何も言わない。そのままにし、私はソファの前に突っ立っている道成の手を離し、ベッドに上がり、椅子として代用する。

その行動に唖然としながらも、道成はマリアの横にドサッと腰を下ろした。そして、再度、弥生に部屋を片付けるように言い渡すと弥生はしぶしぶであるが、ソファ周辺を片付け始めた。蓮もなんだかんだいいながらも弥生の手伝いをする。なんだかんだ言いながらも、仲の良い兄弟だと思った。

久志は視界に入れていないのか、デスクに置いてあるパソコンで何やら作業をしていた。