「よぉ、マリア!!今日も真っ黒だな」

いきなり入ってきてズカズカとマリアのお気に入りのスペースを土足で踏みにじっていくのは、

「蓮!!また二段跳びしてここに来ただろ。振動がここまで響いて、せっかくの昼寝に支障が出た」

どなりつけた相手は済ました顔で私を背もたれにして座った。

「ちょ…重い!!」

寄りかかるというより覆い被さっているという方が正解なのかもしれない。

「マリア先輩、いい匂いがする」

鼻を嗅ぐ音が耳の後ろの方で聞こえ、非常に不愉快に感じる。

「離れろ」

顔面にネコパンチをお見舞いしてやると彼は離れた。

「マリア先輩のネコパンチは今日も健在ですね」

お見逸れ至りました、と笑いながら言ってのけたことに余計腹が立ち、再度ネコパンチを喰らわせた。