その頃、マリアは高い建物の上にいた。
景気の良いチャイムが響くや否やマリアは通学鞄から弁当箱をひっつかみ、屋上へと姿を消した。
昼休み-それこそがマリアに取って学校生活で一番楽しいひとときであった。
ひとときというより、息をしている、もしくは、生きていると言った方が正しいのかもしれない。
マリアにとって、この学校はあまり居心地のいいものではなかった。
それは、一年前の文化祭でグランプリを取ったことから始まった。
あの出来事により、まだ半年ぐらいしか経験しなかった高校生活もつまらないものへと変貌した。
まずは、身近な友達がよそよそしくなり、それと比例して名の知らないクラスが違う子や学年が違う子が現れ、話しかけるようになってきた。
そんな生活にうんざりし、私は昼休みを屋上の空と過ごしていた。
「空が高い…」
ごろんと背中に土埃が付くことも気にせず、マリアは大の字になる。
「午後は、現国に地理に生物か…先はまだ長いな」
横にごろんとすると地面が耳にかすかに付く。
その耳から、ふいに振動が伝わってきた。その振動は徐々に大きくなり、近づいてくるように思えた。
「来たか」
マリアが起き上がり、唯一の屋上の入り口を見ると勢いよく開く。
景気の良いチャイムが響くや否やマリアは通学鞄から弁当箱をひっつかみ、屋上へと姿を消した。
昼休み-それこそがマリアに取って学校生活で一番楽しいひとときであった。
ひとときというより、息をしている、もしくは、生きていると言った方が正しいのかもしれない。
マリアにとって、この学校はあまり居心地のいいものではなかった。
それは、一年前の文化祭でグランプリを取ったことから始まった。
あの出来事により、まだ半年ぐらいしか経験しなかった高校生活もつまらないものへと変貌した。
まずは、身近な友達がよそよそしくなり、それと比例して名の知らないクラスが違う子や学年が違う子が現れ、話しかけるようになってきた。
そんな生活にうんざりし、私は昼休みを屋上の空と過ごしていた。
「空が高い…」
ごろんと背中に土埃が付くことも気にせず、マリアは大の字になる。
「午後は、現国に地理に生物か…先はまだ長いな」
横にごろんとすると地面が耳にかすかに付く。
その耳から、ふいに振動が伝わってきた。その振動は徐々に大きくなり、近づいてくるように思えた。
「来たか」
マリアが起き上がり、唯一の屋上の入り口を見ると勢いよく開く。