「そうか…」

道成は長い息を吐き出すとゆっくりと静かに呟いた。

「それならいい」

道成はまるで自分自身に言い聞かせるように言う。これから、マリアに近づいていくことを決意するかのように意志をもった目をしていた。
「このケーキうまいぞ」

弥生の声に道成と久志が振り替えると弥生が、ホールケーキにフォークを突き刺し食べていた。

「弥生!俺より先に食うなよ」

静かだった空間は途端に賑やかになり、騒がしい声が部屋中に響く。