それからきっちり仕事を終わらせ、もう一度吉岡の家まで車を走らせた…


さっき吉岡のお母さんに聞いた…


“思い出の海”


キモチを伝えるにはピッタリだと思って、そこに行こうとオレは決めた…


オレが部屋に行くと、吉岡は目を丸くして驚いていた…


そりゃそうだ…


担任が知らないうちに来てんだもんな…


『ちょっと…外行かない?』


精一杯かっこつけたけど、逆効果のようだった…

吉岡は笑いながらうなずいた…

『先生はやっぱ変な先生だね…』


『吉岡が心配だからだよ!』


思わずもれた本心…


『ばか!生徒はみんな心配なくせに!』


吉岡…


お前は間違ってるよ…


こんなに生徒につくす教師はいねぇだろうが…


スキなんだってば…


お前がスキなんだよ…


お前はオレをどこまでおかしくするんだ?



その笑顔一つで安心しちゃうオレはどうなんだ?



『おらっ!行くぞ!』


オレは赤くなった頬を隠すように、吉岡を外に連れ出した…