どうしよう…渡さなきゃ… 先輩… 「ほら、」 そういって散らばった教科書を渡してくれる ただ それだけのことなのに こんなにも胸が締め付けられるのは何でなのかな? 先輩に渡さなきゃいけないもの… ずっと手に握ってただ、先輩を見ていた… 「鈴堂?」 「え?ああ!」 先輩に名前を呼ばれて気づいた 私… あ 渡さなきゃ! 「あの、先輩…これ」 と おずおずと渡したのは少ししわのついたもの 「ん?オレに?」