毎日一緒にいるから、デートというよりも日常だったから。

 といっても、前日バイトだった大輔が指定した時間は、食事会の数時間前だった。

 大したことができるわけでもなく、街中をぶらぶら歩くことにした。

 最近ずっと卒論に追われていて、ショッピングもまともにできていなかったから、それはそれでよかった。

 大輔はあんまり好きじゃないみたいだけど。

 つまらなそうに付いてくるから、「ごめんね」といつも謝る。

 大輔はそのたびに「楽しいよ」「そんなことない」っていうけど、分かってるんだから。

 だって、自分の服を見るときはウキウキしているから。

 大輔は直感で決めて、短時間で何着も買うようなタイプだった。

 私としてはすごく羨ましい。

 でも、今日は珍しくすごく悩んでいた。

 英字が印刷されたTシャツ。

 そのTシャツかっこいいなぁと思いながら眺めていたら、大輔が振り返った。