その時だった。 ──コツ… 高そうな靴の音がして 顔をバッとあげた。 「うそ…」 そこには昼に出逢った 男が優しく微笑みながら 立っていた。 男は膝を床につけ あたしに目線を合わせると 優しく頭を撫でてくれた。 その瞬間。 あたしの目からは ブワッと涙が込み上げてきて 子供みたいに泣きじゃくった。