目が覚めたそこは、家の、私の部屋のベッドの中。

今度は、紅茶もお菓子もなくて、・・・緋凰もいなかった。

体は全然回復してない。

でも、不思議に、意識だけは冴え冴えとしていて。

最後に緋凰に言われた言葉だけが、頭の中でぐるぐる、ぐるぐる、回っていた。

ああ、甘えていた私が、罰を受ける時が来てしまった。

その時がきた。

私は、補助剤を飲んでもまだ重だるい体を引きずりながら、頭の中に思い描いていたことを行動に移した。

ボストンバッグを引っ張り出し、最低限の荷物をつめ、緋凰、緋凰の両親、屋敷の人、実紘くん祈咲ちゃん宛てに手紙を書いて、着替えて、荷物を持って部屋を出る。

「お世話になりました」

わかっていたことだったけど、いざこの時になってみれば、やっぱり、さみしいな。

さて、どこへ行こうか・・・。