「・・・お返事を待っていただく必要はございません。先ほど申しましたように、私は誰とも付き合う気はございません。」

努めて冷静に、にこやかに笑って、穏やかに断ろうと思うけど、緋凰みたいに短気なわけではない私でもさすがにこれは苛っとする。

「なんで誰とも付き合わないんだ!?」

「御門の緋凰とはつきあってるわけじゃないんだろ!?」

「だったら、俺でもいいじゃないか!」

・・・この人たち、すべて洗いざらい吐かないと、返してくれないのかしら・・・。

押し問答のようなこの会話を自分でしてみて、少しくらい強く言わなきゃ、この人たちはわかってくれないなって、思った。

なんで、こんなちっとも親しくないような人たちに心に決めたこと、言わなきゃいけないのかしら。

せっかく、今日は緋凰の機嫌よかったのに。

今までだって告白してくれる人がいたし、しつこい人も何人かいたけど、今日の人たちは、一番厄介。

「黙ってないで何とか言ったらどうだ!?」

その言葉を言い終わるが早いか、3人は私を押し倒してきた。

・・・!

やばい、目が、ケモノの目だ。

いつも黄金色の瞳の時の緋凰は獣みたいだと思っていたけど、それでも緋凰の方が、人間的に見えるほどだわ。