「以前こんな新聞記事が載ったことがある」

達郎によると08年、国民生活センターに

「車のホイールに日光が当たって反射し、近くにあったホースが焦げた」

との情報が寄せられた。

そこでセンターは表面が凹面状になっているアルミホイールでテストを行った。

新聞紙やゴミ袋を近くに置き、太陽光を反射させたところ、新聞紙は5~6秒で煙が上がり、ゴミ袋も30秒から30分後に煙が上がって間もなく発火したという。

「結果、ホイールの差が大きいほど煙が上がったり、発火がしやすかった」

時間帯でみると午前8時から10時、午後は1時から3時の間だったそうだ。

ボヤの起きた時間と一致するではないか。

あたしの頭の中にペットボトルとタイヤのホイールが浮かんだ。

それらに太陽光が反射し屈折し、1点に集まる。

光の集まった先は淑恵が置いた新聞紙。

次の瞬間、新聞紙から煙が上がった。

「むろん断定できるわけじゃない。検証は必要だと思う」