脳裏に「虐待」の2文字が浮かんだからだった。
覚悟はしていたはずだったのに、やはり心のどこかでひいき目があったのだろう。
あたしはほんの少しだけ達郎をここへ連れてきたことを後悔した。
「まさか、あたしのしたことが…」
淑恵は消えそうな声でつぶやいた。
「淑恵…」
「あの子、物が飛んだりお皿が割れたりする度にあたしに言うの…ママ、またお化けが出たって」
淑恵は膝の上で拳を固く握った。
「そのたびに、頭の中に死んだ旦那の顔が浮かぶの…」
あの男なら化けて出かねない。
死んだ旦那は、それほどしつこくて、陰湿で、乱暴だったと語った。
「たとえそれがあの子のイタズラにしたって、なんでそんなことをするのか…」
原因が全くわからない。
それが淑恵を困惑させ、苛立たせた。
さらに火事騒ぎが立て続けに起きた。
しかもいずれも火元は淑恵の出した新聞紙。
覚悟はしていたはずだったのに、やはり心のどこかでひいき目があったのだろう。
あたしはほんの少しだけ達郎をここへ連れてきたことを後悔した。
「まさか、あたしのしたことが…」
淑恵は消えそうな声でつぶやいた。
「淑恵…」
「あの子、物が飛んだりお皿が割れたりする度にあたしに言うの…ママ、またお化けが出たって」
淑恵は膝の上で拳を固く握った。
「そのたびに、頭の中に死んだ旦那の顔が浮かぶの…」
あの男なら化けて出かねない。
死んだ旦那は、それほどしつこくて、陰湿で、乱暴だったと語った。
「たとえそれがあの子のイタズラにしたって、なんでそんなことをするのか…」
原因が全くわからない。
それが淑恵を困惑させ、苛立たせた。
さらに火事騒ぎが立て続けに起きた。
しかもいずれも火元は淑恵の出した新聞紙。


