ぐぐぐっ。

「レミ、ただ単にオバケが怖いだけじゃないのか?」

「そんなわけないじゃない!」

確かにあたしはオバケが嫌い。

しかしポルターガイストの件をないがしろにするつもりはない。

そりゃ確かに目の前で物が飛んだらその場にいられる自信はないけど。

「それにポルターガイストより不審火の謎を解く方が簡単でしょ」

現実に起きた火事と心霊現象(かもしれない)ポルターガイスト。

並べなくても領分の違いはわかるはず。

「そうかな」

しかし達郎は、いつものどこか憂いを含んだ瞳でアパートを眺めた。

「オレには、ポルターガイストの原因の方がわかり易いけど」

「え?」

それどういうこと?

「まぁでも、火事の方が危険だよな」

「そ、そうでしょ」

あたしは達郎の腕をひいた。

「アイス食べたんだからアレコレ言わないの」

達郎には先ほどサーティワンでトリプルをおごっていた。

今のところ立場はあたしの方が上…のはず。