「ねぇ、気になったんだけど…」
里見さんはテーブルから少し身を乗り出した。
「そのリカちゃんの父親…つまり淑恵さんの旦那さんは何をしてるの?」
淑恵が虐待をしているのなら旦那はそれを知っているはずだ。
でもなぜ旦那が話に出てこない?
里見さんはそう言いたいのだろう。
でもそれは仕方ないことだった。
「淑恵の夫は…リカちゃんの父親はもう死んでるんです」
「死んでる?」
おうむ返しに聞く里見さんにうなずき、あたしは手帳を取り出した。
「昨日はじめて知ったんですけどね…」
淑恵は地元の商業高校を出た後、都内の運送会社に事務員として就職。
3年後、職場で出会った5つ上の運転手と結婚しリカちゃんを生んだ。
幸せな家庭を築いていた淑恵だが、昨年の不況で会社が傾き、夫がリストラにあった。
その頃から夫は酒におぼれるようになった。
昼間から仕事もせず酒を飲む夫。
淑恵がたしなめると暴力をふるうようになった。
里見さんはテーブルから少し身を乗り出した。
「そのリカちゃんの父親…つまり淑恵さんの旦那さんは何をしてるの?」
淑恵が虐待をしているのなら旦那はそれを知っているはずだ。
でもなぜ旦那が話に出てこない?
里見さんはそう言いたいのだろう。
でもそれは仕方ないことだった。
「淑恵の夫は…リカちゃんの父親はもう死んでるんです」
「死んでる?」
おうむ返しに聞く里見さんにうなずき、あたしは手帳を取り出した。
「昨日はじめて知ったんですけどね…」
淑恵は地元の商業高校を出た後、都内の運送会社に事務員として就職。
3年後、職場で出会った5つ上の運転手と結婚しリカちゃんを生んだ。
幸せな家庭を築いていた淑恵だが、昨年の不況で会社が傾き、夫がリストラにあった。
その頃から夫は酒におぼれるようになった。
昼間から仕事もせず酒を飲む夫。
淑恵がたしなめると暴力をふるうようになった。


