「庭に出ようか」 私は、黙ってリオの後をついていく。 ちょうど、屋敷の裏側に広がる庭は、薔薇が咲き乱れていた。 「薔薇が好きなの?」 庭の中央にあるベンチに腰掛けて、話しかけた。 「僕の家紋は、薔薇だからね」 「薔薇が?」 「僕は、此処に住んでいたんだよ。昔は、僕が子供の頃はフーカも人間と、共存していてね。すごく幸せだったよ。でも、人間は僕らを差別したんだ。自分達と、違うってだけでね」 それから、語られたのはリオの過去だった。